畳の豆知識

■畳の歴史■


初めに、畳は世界に類がない日本固有の文化です。
畳の原点は筵(むしろ)・茣蓙(ござ)・菰(こも)などの薄い敷物の総称で、使用しないときは畳んで部屋の隅に置いていたことから動詞である『タタム』が名詞化し『タタミ』になったのが畳の語源と言われています。
現代の畳に近付くのは平安時代に入ってからと言われており、厚みが加えられるとともに部屋に据え置いて使うようになり、大きさの規格化も進められました。
平安時代までは板床に敷くクッションの一種のような感覚で使われていたが、室町時代に入ると、書院造の登場によって部屋全体に敷かれる様式があらわれ、移動されることがなくなった畳はより分厚く重くなり、茶道の拡大に伴い、正座と共に普及していきました。
江戸時代に入ると、畳そのものが重要な建築物の要素として見なされるようになり、城や屋敷の改修工事を司る役職として畳奉行が任命される例も見られた。
近年では生活(住宅)の洋風化に伴い畳を敷き詰めた和室の設置が少なく、平安時代のように薄い畳(置き畳)を敷物として2畳分程度フローリングに置くという形が普及しています。

■畳の構造■

畳の構造としては、芯材になる板状の畳床・イ草を編み込んで作られた畳表・縁に畳表を止める為と装飾を兼ねた畳縁の3つの部材が主な畳の部材になります。(下記に部材の詳細ページをご用意してありますのでご確認下さい。)


■畳のサイズ■

畳には縦横比が2:1になっている長方形の1畳サイズと、1:1の正方形の半畳サイズの2種類があります。
※例外として、オーダー畳や置き畳には変形の畳があります。
大きさは3尺(910mm)×6尺(1820mm)の物が基本になりますが、お部屋の寸法に合わせて採寸し、注文生産される場合が一般的なので1枚1枚のサイズは一定しません。
一般的な規格としては、京間(本間)・中京間(三六間)・江戸間(関東間・田舎間・五八間)・団地間(公団サイズ・五六間)の4種類が有名ですが、この他にも地域ごとに様々な規格があります。
●京間・・・・・・955mm×1910mm 主に近畿・中国・四国・九州と西日本の大部分で使用されています。
●中京間・三六間・910mm×1820mm 主に愛知・岐阜県の中京地方や福島・山形の東北地方の一部・北陸地方の一部と沖縄・奄美大島で使用されています。
●江戸間・関東間・880mm×1760mm 関東地方・東北地方の一部・北海道と三重県伊勢地方の地域で使用されています。
●団地間・五六間・850mm×1700mm 様々なサイズがありますが記載のサイズがメインです。公団住宅・アパート・マンションなどで使用されています。


■畳の掃除方法■

□畳の掃除方法□

まず、畳掃除で一番気をつけて頂きたいことは、【畳の目に沿って掃除すること】です。目に沿って掃除機やほうきを使用しないと、畳を傷める原因となってしまいます。
畳の掃除はお掃除ロボットではできませんので、一苦労ですが自分の力で行いましょう。強く掃除機を押し付けると畳が痛む恐れがあるのでご注意ください。
ほうきを使って掃除する人は少ないと思いますが、その場合は使い終わったお茶の葉をかたくしぼったものを使いましょう。畳の上にばら撒いてほうきで掃いていきます。その後、乾いた雑巾で乾拭きしましょう。
そして畳は水に弱いので、雑巾かけで注意していただきたいことは、【基本は乾拭き】です。

□手軽なお掃除□

掃除機が一番手軽にできます。 掃除機の種類によっては、畳モードが付いている機種がありますのでそちらをご使用ください。
まずは目に沿って、丁寧にゆっくりと畳全体にかけていきます。 畳に潜む、ダニは畳に絡みついていることがありますのでゆっくりとかけることで吸い取ることができます。
最近ではフローリングモップや畳用のシートを使用して掃除もできます。シートにはドライタイプ、ウエットタイプがありますがドライタイプの方が畳には好ましいです。
畳自体が湿気を嫌うので古くなった畳でもドライタイプでの乾拭きがおすすめです。

□しっかりお掃除□

しっかりお掃除には、雑巾がけです。 乾拭きだけでは取れない汚れもあります。
そのときは、固く絞った濡れ拭きを使用します。 雑巾を濡らすときは、水にお酢を足したものが汚れが落ちやすいです。
お酢に含まれる漂白成分が、汚れを落としてくれます。お水に少しお酢臭さが残る程度にお酢を混ぜます。
少し力を入れ濡れ拭きを行った後は、素早く乾拭きも行ってください。
畳表の表面以外にも、畳縁にもホコリはたまります。こちらは、掃除機の小さなアタッチメントで吸ったり、雑巾がけがおすすめです

□ひどい汚れの場合□

濡れ拭きで取れない汚れには、お塩が有効な場合があります。
汚れにお塩を撒いて、ブラシなどで掻き出します。
これでも落ちない場合は、市販の弱アルカリ性の畳専用洗剤をご使用ください。

□大掃除の場合□

大掃除には、お日様に向かって畳を上げましょう。 畳に住み着いたダニ、湿気などを除去する効果があります。
半年に一回が目安です。 日本にしかない素材だからこそ、いつもの掃除で大事にしましょう。

畳に使用される部材の説明です。